【合格率検証】中小企業診断士試験は、受験地区による有利不利はあるのか?

難易度

中小企業診断士試験にまつわるウワサの1つに、全国各地に一定数の診断士を確保するため、受験地区ごとに合格率を調整している(地方の受験地区を優遇している)、というものがあります。

この記事では、過去14年分の統計資料をもとに、受験地区ごとの合格率を分析し、このウワサが本当なのか検証していきます。

1次試験は「東京会場」の合格率が最も高い!

過去14年分の1次試験の「申込者数」と「合格者数」から、「合格率」を算出すると、次の結果になります。

※那覇のみ8年分(2012~2019年度)のデータ。
(中小企業診断協会公開の統計資料に基づき作成)
※那覇のみ8年分(2012~2019年度)のデータ。
(中小企業診断協会公開の統計資料に基づき作成)

合格率の第1位は、「東京会場 17.06%」となっています。

1次試験は、マークシート方式の択一式であることから、調整の余地がないので、試験会場による有利不利というよりは、受験生のレベルの高さが影響していると思います。

大企業が多い三大都市圏や資格予備校へのアクセスの良さ、などが影響しているかもしれませんね。

2次試験は「大阪会場」の合格率が最も高い!

過去14年分の2次試験の「申込者数」と「合格者数」から、「合格率」を算出すると、次の結果になります。

(中小企業診断協会公開の統計資料に基づき作成)
(中小企業診断協会公開の統計資料に基づき作成)

受験地区による有利不利があるとしたら、採点基準が曖昧である2次試験(筆記試験)ですね。

合格率(平均値)の第1位は、「大阪会場 19.80%」となっています。

一方、1次試験の合格率第1位の「東京会場」は、2次試験の合格率(平均値)では「第4位 19.51%」になっています。

合格率(平均値)を眺めて、気になるのは、1次試験と比べて、受験地区ごとの地域差が少ない点です。

1次試験の地域差に影響すると考えられる三大都市圏や資格予備校へのアクセスの良さなどが、2次試験でもありそうな気もしましたが、結果的に概ね18〜19%となっており、調整してるような気が・・・

しかしながら、これは平均的な合格率の話であり、年度別に受験地区ごとの合格率を眺めると、例えば2011年度の仙台の合格率は「9.18%」と10%を下回るなど、年度レベルで調整されているとは言い難い状況です。

まとめ

中小企業診断士試験は、「受験地区による有利不利は、ほとんどない」と考えます。

2次試験の合格率(平均値)を見ると、長期的に調整されている可能性はありますが、その影響は大きくないのではないでしょうか。

とは言え、「少しでも合格率を上げたい!」と考える受験生は、地方での受験も選択肢に考えてもよろしいかもしれません。

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